災害で損害を受けた時は、税金の軽減措置を活用しましょう

このところ(ここ数年)日本全国で地震、大雨などの自然災害を頻繁に目にします。2017年は気象庁による「記録的短時間大雨情報」の発表が過去5年間で最多になっているというニュースが昨日(9月12日)、流れていました。いつ自然災害に遭ってもおかしくない中で生活していることを改めて実感した次第です。そこで今回は、個人が災害によって住宅や家財道具に損害を受けときの、税金の軽減措置についてお知らせします。

代表的なものとして、「災害減免法による所得税の軽減免除」および「雑損控除」の2つの措置をご紹介します。

災害減免法による所得税の軽減免除

この措置は、災害減免法(正式名称は「災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律」)という法律にもとづき、災害による被害を受けたときに所得税を全額免除したり一部軽減したりするものです。

災害にあった年の所得金額が1,000万円以下であること、損害額が住宅又は家財の2分の1以上であることなどが、この措置を活用するための要件となっています。別荘や貴金属などのいわゆる贅沢品に受けた損害はこの措置の適用から除かれます。

雑損控除

この措置は、災害によって資産に損害を受けた場合に、所得税を計算する際の所得金額から一定額を差し引き、結果として所得税額を少なくするというものです。前記の措置と違って、所得金額が1,000万円以下でなければならないなどの要件はありません。こちらも、いわゆる贅沢品への損害は除外されます。なお、雑損控除は厳密には、災害だけでなく盗難や横領によって損害を受けた場合にも適用できます。

被災者の方は積極的活用を

「災害減免法による所得税の軽減免除」と「雑損控除」のいずれも適用を受けるには確定申告書を提出しなければなりません。

また、納税者の状況によっては両方の措置を一度に適用できそうな場合も考えられますが、その場合はどちらか一方しか適用できません。確定申告の前にシミュレーションして所得税額がより少なくなるほうを選択するようにしましょう。

災害により被害を受けたときは本当に大変だと想像されます(幸い、私自身は大きな災害に遭ったことがないので、状況を想像するしかありません)。もちろん、上記の措置で被災した納税者の権利、生活が十分守られているとは言えません。しかし、現に存在する措置を活用しない手はありませんので、今年損害を受けられた方は、確定申告でぜひ活用の検討をしていただければと思います。

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